写真を写すという行為は、レンズを通してフィルムの表面に塗布されている感光剤を変化させたり、デジタルカメラであれば撮像素子が光の3原色を電気信号にして記録する。言ってみれば、ただそれだけのことです。
現像したフィルムからプリントして、アルバムに貼って楽しむ。こうした使い方に適していたのが“ネガフィルム”でした。
しかし、フィルムの形式にはもう一つあります。ネガ(陰画)に対するポジ(陽画)としての“リバーサルフィルム”です。
リバーサルフィルムは、光が感光剤を変化させて現像という作業を経るまでは同じですが、陰と陽が逆になるネガフィルムと違い、フィルム上に見た目そのままの色を表現します。
なので、フィルムの後ろから光を当てて、スライド映写機(今でいうプロジェクターのようなもの)で大きくスクリーンに映し出し、みんなで楽しんだりすることもできました。資料を小さなフィルムに焼き付け、企業のプレゼンテーションにもよく使われたものです。